本。
最近、自分でもちょっと変だと思う。
これまでになく「本」依存症だ。
常に読みかけの本がないと不安だ。
自分でそんなに読書好きだとは思わない。
もちろん嫌いじゃなかったけど、読んでない本が手元にないと不安だという事はなかった。
きっと私の中で何かのバランスが崩れているんだろう。
まぁ、考えても仕方がない。
「本」さえあれば落ち着くのだから、沢山用意すればいいだけのことだ。
お馴染みブックオフに行って、文庫本105円コーナーで読みたい本を探す。
目についたのがとある女性作家MYさんの本。
何となく名前に惹かれ、これまでも何冊か読んだことがあるが、
すべて私にはつまらなく感じた作家だった。
これまでの経験からやめておけばいいのに、
その人の名前の持つ魅力と本のタイトルに惹かれ、3冊購入。
失敗しても315円ならあきらめもつく。
早速帰りの電車の中で読み始めるが、やっぱりつまらない。
そこそこ人気の高い作家なので、何か面白さがあるのだろうが、
私にはわからない。
失敗したなぁと思いながらも、読み進むと面白くなるかもと根気強く読み続けた。
たいていの場合、電車の中で読みかけの本でも寝る前にすべて読み終えてしまう。
読み始めると続きが気になるので、最後まで読まないときがすまない。
その方の本もいつ面白くなるのか、いつ面白くなるのか、
と半ば無理矢理自分を期待させながら、布団の中で読み続けた。
が、やっぱり面白くならない。
珍しく本を片手に寝てしまった。
よほど私にとって相性の良くない作家なんだと思った。
それでも売れてる(た?)作家なので、次の本にも手を出すが、同じくつまらない。
これは早く違う本を買いに行こうと思いつつ、最後の本に手をつける。
すると。
面白い。
内容は「猫」と暮らし始めた事についてのエッセイ。
書いていることに共感できる部分が多い。
そしてふと思った。
これまでこの人の文章がつまらないと思っていたが、
どうやら書いていたことに共感できないだけだったのかと。
そう思って内容を思い返すと、その人のエッセイは、
母親と買い物に数百万自分が払っただの、
当たり前のようにファーストクラスで行った海外旅行だの、
通訳付きで観光した話だの、
親の家を自分のお金で建てた話だの・・・
を当たり前のように、半ば世の中の普通の感覚と思っているのかと思わせるように書いてあった。
・・・私には共感できるはずがない。
作家ってえらく儲かるのだと思ってしまう。
そうかと思えば、その人と同じ年代の女性作家のエッセイで見る金銭感覚は共感できる。
やっぱり、その人の生活感覚に共感できないとつまらないんだなとあらためて実感した。
しばらくはその人の本は「猫関係」だけ読むことにしよう。
さて、そろそろストックが切れてきた。
次は誰の本を105円で買い込もうか・・・。