遠足の香り
みかんを買った。
この時期の小粒なみかん。
あかちゃんのにぎりこぶし程度の本当に小さなみかんだけど、
よく色づいていて美味しそう。
さっそくひとつむいた途端に、早生みかんの香りが広がった。
これはまさに「遠足の香り」
「運動会の香り」でもある。
真冬のみかんとはまた違う、この時期ならではのみかんの香り。
なんだかすっかり忘れていたような懐かしい香りだった。
ここ数年は、みかんには贅沢になっていて、
「せとか」「はるか」「はるみ」「デコポン」等々・・・
新しく出てくる美味しい高級(?)みかんばかり食べていた気がする。
早生みかん特有の香りは、運動場の土埃の匂いまでも運んできた。
遠足の時にレジャーシートを広げた芝生の匂いもした。
運動会や遠足の時には、かならず誰かがみかんを持ってきていた。
横半分にきったみかんがお弁当の中に入っていることもあった。
たったひとつのみかんの香りが、小学生の頃の感覚にトリップさせてくれたことに驚いた。
香りって、すごい力があるのかも知れない。