電車の中の気になる会話
すっかり電車の中が読書タイムと化してから
移動時間が苦にならなくなった。
ある日のこと。
各駅停車の電車の中は、立っている人がちらほらという程度の混み具合。
時間は夜。
帰宅途中とみられる人が殆どで電車の中は静かだった。
そんな中、私の隣に座った若い男女だけが話をしていた。
どうも、恋愛初期っぽい。
周りが静かなだけに、二人の話し声は小さいながらよく聞こえる。
聞くともなしに聞こえてくる会話。
男「静かだよね。話しない方が良いのかな。本、読んでみる?」
女「うん。」
男「今、椎名誠の本があるけど、貸そうか?」
女「あ、読みたい!」
男「じゃあ、これ」
女「椎名誠ってさぁ、初めて読んだのが小学校の時の教科書でさぁ」
男「オレも!」
・・・・・・・
隣の会話など、気にすることもなく本を読んでいたつもりだったが、
私の頭の中はストップしてしまった。
え?小学校?
その後、なぜだか読書に集中できず、最寄り駅までぼーっと過ごした。